論文PDFの管理アプリ5選無料で使える容量・iPadでの注釈・引用の作成で比較
論文PDFを管理する5サービスを、無料で使える容量・iPadでの注釈・引用文献の作成・AI要約で比較。Zoteroは無料300MB、Mendeleyは2GB、Paperpileは年払いのみで30日間の試用です。

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論文のPDFは、ダウンロードした瞬間から置き場に困ります。フォルダに溜まっていき、iPadで読もうとすると手元にない、という状態になりやすいところです。
私は普段、新規事業の立ち上げと成長の支援をしていて、調べもので論文や長いレポートに当たることがよくあります。読んだものは、自分で開発しているSuperFlow(AI要約)に入れています。
ただ、管理アプリを選ぶ前に決めておきたいことが一つあります。
引用文献の作成まで必要かどうかです。 論文を書く人に必要なのは引用のスタイルと文書作成ソフトとの連携で、読むだけの人に必要なのは容量と注釈です。
では、どこで分かれるのか。
論文を書くならZotero、容量を気にせずPDFを置きたいならPaperpile、読んだ内容を日本語の要約で残したいならSuperFlowかReadwise Readerです。
この記事では、無料で使える容量、iPhoneとiPadでの注釈、引用文献の作成、要約とハイライトの4つの条件で5つのサービスを見ていきます。
Web記事を中心に保存したい方は「記事保存アプリの比較」、ハイライトを貯めることが主目的なら「ハイライト管理アプリの選び方」のほうが近い内容です。
条件を4つに絞る
論文管理の道具は機能が多く、全部を並べると比べられなくなります。そこで、条件を4つに絞ります。
1つ目は、無料で使える容量です。PDFは1本が数MBになるので、同期できる容量が先に効いてきます。
2つ目は、iPhoneとiPadで読んで注釈を付けられるかどうか。移動中に読むなら、ここが使い続けられるかの分かれ目になります。
3つ目は、引用文献の作成です。論文を書くなら、引用スタイルと文書作成ソフトとの連携が要ります。
4つ目は、読んだ内容を要約やハイライトで残せるかどうかです。
なお、ここでは1枚の比較表にまとめていません。公式ページで確認できる範囲がサービスごとに違うからです。
条件ごとに分けて書き、確認できなかった項目は「要確認」と書きます。確認日は末尾の出典に入れました。
無料で使える容量で差が出る
まず容量です。ここは3つのサービスで条件がはっきり違います。
Zoteroは、ソフト自体が無料で、容量だけが有料になる形です。 公式サイトは「無料で使いやすいツール」であり「オープンソースで、独立した非営利組織が開発している」と説明しています。
同期できるファイルの容量は、無料で300MBです。そこから2GBが年20ドル、6GBが年60ドル、無制限が年120ドルと案内されています。
対象になるのはPDF・画像・Webスナップショットなどのファイルです。グループで共有したファイルの容量は、常にグループのオーナーの容量から引かれます。
Mendeleyは、公式のReference Managerのページで「2GBのストレージを無料で」と案内しています。
Paperpileは、PDFの保存容量を全プランで無制限としています。ただ、無料プランはなく、30日間の無料試用から始める形です。
つまり、無料のまま始めたいならZoteroかMendeley、容量を気にせず置きたいなら最初から有料のPaperpileという分かれ方になります。
iPhoneとiPadで読んで注釈を付けられるか
次に、読む場所です。論文を印刷せずに読むなら、ここが続けられるかを決めます。
この条件では、公式の記載がいちばん具体的なのはZoteroです。 公式サイトは「Mac、Windows、Linux、iOS、Androidで利用できる」と書いています。
iOS向けの案内ページによると、アプリはiPadとiPhoneでライブラリを扱い、PDFを読んでハイライト・メモ・画像・手書きの注釈を付けられます。Safariなどの共有ボタンから保存することも、カメラでバーコードやDOIを読み取って追加することもできます。
ただ、この案内ページには最終更新として2023年1月1日が表示されています。細かい仕様は変わっている可能性があるので、入れる前にApp Storeの記載も見てください。
Paperpileの料金ページは、iOSとAndroidのアプリへリンクしています。一方で、プランごとの機能一覧にモバイルの項目はありません。
PDFのメモと注釈は、Paperpileでは上位のExpertに入っています。安いほうのRegularでPDFに注釈を付けられるかは、料金ページの表からは読み取れませんでした。
Mendeleyの公式ページは「Read & annotate」を機能として挙げていますが、モバイルアプリには触れていません。iPhoneやiPadで使えるかは要確認です。
引用文献の作成が必要かどうか
論文を書くなら、ここが本題になります。
Zoteroは、文書作成ソフトの中で直接使えることを公式に明記しています。 対象はWord、LibreOffice、Google ドキュメントです。
iOS向けの案内では、引用スタイルが1万以上あるとされています。論文の投稿先ごとにスタイルを変える作業は、この部分が担います。
Paperpileは、安いほうのRegularに主要なスタイルとBibTeX、そしてWord・Google ドキュメント・文献データベース・出版社との基本的な連携が入ります。
上位のExpertで足されるのは、PDFを横断した全文検索、PDFのメモと注釈、フォルダとライブラリの共有、補助ファイルの保存、高度な連携、独自の引用スタイルです。
価格は、Regularが月4.15ドル、Expertが月5.75ドルと表示されています。どちらも年払いの換算で、料金ページには「すべてのプランは年払いで請求されます」と書かれています。
学生・教職員・研究者と、対象になる非営利組織には50%の割引があります。申請の可否はPaperpileのサポート宛てに問い合わせる形です。
なお、料金ページの金額はドル記号で書かれていますが、通貨そのものの名称は書かれていません。請求の通貨は要確認です。
読んだ内容を要約やハイライトで残したいとき
論文を書かない人、つまり仕事の資料として読む人には、4つ目の条件のほうが効きます。
Readwise ReaderはPDFを扱えて、ハイライトとAI要約があります。無料プランはなく、30日間の無料トライアルから始めます。
Readerを含むReadwise Fullは、年払いで月9.99ドルです。画面は英語で、日本語のUIはありません。
条件は「Readwise Readerの比較」にまとめています。
SuperFlow(AI要約)も、PDFを保存の対象にしています。開発している立場から書くと、保存した時点で日本語のAI要約が作られ、ハイライトとメモは同じ場所に集まります。
Freeは保存・要約が累計10件、Standardが月額1,980円(税込)で月100件です。画面は日本語です。
ただ、SuperFlowは論文を書くための道具ではありません。 引用文献を作る機能はなく、PDFのファイルを手元のフォルダで管理する形でもありません。
書き出しも有料プランの機能です。
私は、論文を書くための道具と、読んだ内容を仕事で使い回すための道具は、分けたほうが無理がないと思っています。前者はZoteroやPaperpile、後者は要約とハイライトが残るサービスです。
用途別の結論
- 論文を書く・投稿先ごとにスタイルを変える: Zoteroです。無料で始められて、Word・LibreOffice・Google ドキュメントの中で使えます
- PDFを容量を気にせず置きたい: Paperpileです。保存は無制限ですが、年払いのみで30日間の試用から入ります
- iPadで注釈を付けながら読みたい: Zoteroです。ハイライト・メモ・画像・手書きの注釈が公式に案内されています
- 無料の容量を少しでも多く取りたい: Mendeleyの2GBです。モバイルアプリの有無は要確認です
- 読んだ内容を日本語の要約で残したい: SuperFlowの無料枠(累計10件)か、英語の画面でよければReadwise Readerです
まとめ
- 論文PDFの管理は、引用文献の作成が必要かどうかで道具が分かれます
- Zoteroはソフトが無料で、同期容量が無料300MB、2GBが年20ドル、6GBが年60ドル、無制限が年120ドルです
- Mendeleyは2GBの無料ストレージを案内しています。モバイルアプリについては公式ページに記載がなく要確認です
- PaperpileはPDFの保存を無制限としますが、無料プランはなく、全プランが年払いで、30日間の試用と50%の学生割引があります
- iPhoneとiPadでの注釈は、公式の記載がもっとも具体的なのはZoteroです(ハイライト・メモ・画像・手書き)
- 読んだ内容を日本語の要約で残すなら、SuperFlowの累計10件の無料枠か、日本語UIのないReadwise Readerです
- 料金と容量は変わります。末尾の確認日を見て、公式ページで現在の条件を確かめてください
よくある質問
論文PDFの管理アプリは無料で使えますか
Zoteroはソフトが無料で、同期できる容量が無料300MBです。Mendeleyは2GBのストレージを無料と案内しています。Paperpileに無料プランはなく、30日間の無料試用から始めます。数値は2026年10月22日に各公式ページで確認した内容です。
iPadで論文PDFに注釈を付けられますか
Zoteroは、iPadとiPhoneのアプリでPDFを読み、ハイライト・メモ・画像・手書きの注釈を付けられると案内しています。Paperpileはアプリへのリンクはあるものの、プランの機能一覧にモバイルの項目がありません。Mendeleyはモバイルアプリの記載がなく要確認です。
Zoteroの容量を増やすといくらかかりますか
公式の案内では、2GBが年20ドル、6GBが年60ドル、無制限が年120ドルです。グループで共有したファイルの容量は、グループのオーナーの容量から引かれます。数値は2026年10月22日時点の確認内容です。
Paperpileに学生割引はありますか
学生・教職員・研究者と、対象になる非営利組織に50%の割引があります。申請できるかどうかはPaperpileのサポートへ問い合わせる形です。プランは全て年払いで、30日間の無料試用から始められます。
日本語の画面で使えるものはどれですか
SuperFlowは画面が日本語です。Readwise Readerに日本語のUIはありません。Zotero・Mendeley・Paperpileの日本語表示は、今回確認した公式ページに記載がなかったため要確認です。
出典・確認日
- Zotero:公式サイト、Zotero Storage、Zotero for iOS(2026年10月22日確認。iOSの案内ページには最終更新2023年1月1日と表示されています)
- Mendeley:Mendeley Reference Manager(2026年10月22日確認)
- Paperpile:料金ページ(2026年10月22日確認)
- Readwise:料金ページ(2026年10月19日確認)
- SuperFlow:公式FAQ、使い方ガイドと開発元の現行実装(2026年10月22日照合)
各社の最新の条件は、必ず公式ページでご確認ください。ここに書いたのは、上の確認日にSuperFlowが公式ページで読み取れた範囲の内容です。
保存するだけで、AIが日本語で要約
記事・X・YouTube・PDFを保存すると、AIが要約を自動で作るサービスです。まずは無料で試せます。
株式会社VASILYでのグロースハック担当、AR/VR領域の事業を手掛ける株式会社MESONの代表を経て、POSTSを創業。生成AIなどの先端テクノロジーを事業成長に結びつける戦略パートナーとして活動しています。著書に『生成AI時代を勝ち抜く事業・組織のつくり方』(日経BP)、『いちばんやさしいグロースハックの教本』(インプレス)。
AI時代の情報過多を解消するためにSuperFlowを開発しました。


